ブレーキオーバーホールページ
最終更新日 2004/05/16
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ブレーキキャリパーのオーバーホールページです。
PADを APロッキードの TYPE-ZXに換えてから、踏んだときにもブレーキ鳴くけど、踏んでいないときにもキーキー鳴いててみっともないし、こすれて勿体ないので、ブレーキオーバーホールです。
ブレーキオーバーホールって、どのぐらいの距離走ったらやるのが良いんでしょうか?
まあ、乗り方(ブレーキへの負荷のかけ方)にもよるんでしょうけれども、今まで乗ってきた車ではブレーキのオーバーホール何てやったことはありませんでした。
ちなみに、山道よく行くし、下り坂のブレーキもガンガン、激しいブレーキングもやるよ!、って方でオーバーホールせずほっぽりっ放しの乗りっぱなしだと、最終段階には、ブレーキピストンの戻りが悪くなり、ブレーキが軽くかかった状態で引きづったままとなります。
こうなってしまったら、ブレーキかけた状態からピストンが戻らなくなりブレーキかかりっぱなしで走行不可能。となる可能性もあるので、嫌でもオーバーホールが必要になります。
そう言えばオーバーホールなんか5年間やってないよ!って人、町乗りとか通勤で家に着いた後、フロントホイルの左右の温度差を手で触って比べてみましょう。片側だけやけにホイルが熱くなっていたら、そちら側のキャリパーはオーバーホールが必要かもしれません。
(ブレーキローターをじかに指で触るのはやめましょう。チョイ乗りのコンビニからの帰りで全くブレーキ使っていないような状態でも、指が『ジュ!』と言う音を出しそうな勢いで火傷してします。
前置きが長くなりましたが・・・
キャリパーのピストン周辺のゴム製品の交換をするのが、ブレーキのオーバーホールです。
ピストンの動きが滑らかになる。
ブレーキ離したときに、ピストンの戻りが良くなる(走行中の鳴き予防)。
ロックピン内部のグリス交換も行うので、私の車のような片押しキャリパーの場合、パッドの片減り防止にも役立つ?
何て事が、ブレーキのオーバーホールをやることによって予防できるんだと思います。
ちなみに、誰でも出来るブレーキオーバーホール!なんてタイトルにしていますが、ブレーキは、車の中でも最重要の重要保安部品で、ブレーキが効かなくなったら車は殺人マシーンとなります。ここに簡単そうに書いてあるからやってみた、出来ると思った。では済まない事態となります。くれぐれも注意して下さい。
まず用意する物は、ブレーキのオーバーホールキットです。ディーラーで、キャリパーのオーバーホールキット下さい!。と言えば出てきます。
私の車、15inchの片押し 2PODキャリパー用は、26297AC010という部品番号で 2100円でした。
この写真は片側分のパーツだけですが、上記型番のキットにはこれの2倍、フロント両側用のパーツが入っていました(フロント両側で 2100円)
上記部品は(整備解説書によると)以下の様な名称になっている模様
① -- グリス。ゴムに塗るための物。
② -- ロックピンブーツ。良く破れてるんです。
③ -- ピストンブーツ。ピストンを汚れから守るための物?
④ -- ピストンシール。ピストンと接していて、フルードの漏れを防ぐ。ブレーキ離したときにピストンを戻すのもこれがやっている。
⑤ -- ブーツリング。③のピストンブーツを外れないように押さえるための物。
⑥ -- ガイドピンブーツ?。写真では2個写っていますが、2本のガイドピンの内1個しか使用していません。
後、キャリパーを完全に取り外して作業したい人は、こんなのも購入しておいた方が良いと思います。
ブレーキホースが付いているユニオンボルトに使うガスケットです。両側から挟み込むようにして取り付けるので、片側で2枚、両側で4枚必要です。一枚 40円でした。
私は、ブレーキホース取り外さないでオーバーホールしたので、使用しませんでした。
まずはタイヤ外して、今回はキャリパー部分だけを持ち上げます。
赤矢印の部分に付いているロックピンのボルトを取り外すと写真のように持ち上がります。
キャリパーが持ち上がれば、パッドも取り外せるので取り外しておきます。
このロックピン部分のボルトは 8Kgf-mのトルクで締めろと書いてありました。
そしたら、おもむろにピストンブーツを取り外します。
ピストンは思いっきり押し込んでおいた方が作業性良いです。
整備要領書には、まずは⑤のブーツリングを取り外せ。となっていますが、ピストンブーツが付いた状態ではグリスで滑ってしまい取り外すの困難でした。
どうせ新品に交換してしまうんだし・・・。と言うことで、マイナスドライバーでこじって破って取り外しました。
新品のブーツ取り付ける時には、付属のグリスを塗れとなっていました。私はどこに塗ればいいのかが分からなかったので、裏面のヒダヒダ部分へ塗ろうと思いましたが、そんな塗る部分なんて塗ってる途中指が滑るし、塗りたい部分を特定して塗る、何て事出来ませんでした。もう全体的に塗って取り付けちゃいました(^^;;
ピストンブーツ取り外すと、本当は最初に取り外しておかなければならない赤矢印部分のブーツリングが簡単に取り外すこと出来ます。マイナスドライバー等でグリグリってやって取り外します。
ピストンを取り外すため、ブレーキガシガシ踏みます。
本当なら、キャリパーからブレーキホースを取り外し、そこからエアー吹き込んでピストン押し出す。のが整備要領書のやり方なのですが、そんな機材持ってませんからブレーキ踏んでフルードの力で押し出します。
上側のピストンから作業した方が良いです。ブレーキ 10回ぐらい踏むとピストン抜けるんですが、抜けたとたんにドバーっとフルード流れ落ちるので、下からやるとせっかく交換したブーツ類がフルードまみれになります(^^;;
この写真は半分ぐらいまでピストン抜けた写真ですね。
下側のピストンは出て欲しくないので、何かでつっかえ棒しておいて出てこないようにしておきます。(写真ではラチェットのエクステンションをつっかえ棒にしています)
後、ピストン抜けるとポロッと落ちますから、下(地面)まで落ちないように何かウエスでも受け皿代わりにしておいた方が良いです。
ピストンが抜け出る分、リザーバーのフルードが無くなるので、フルードを継ぎ足しながらピストン押し出します。
リザーバーのフルードが無くなったのに気が付かずにブレーキ踏み続けると、上側(上流)からエアーが混入してしまい、エアー抜くのに大変な目に遭います。
特に 2輪車のフロントブレーキなどは、ハンドルに付いているリザーバーからキャリパーが縦に一直線の配置で接続されているので、上から下へ重力に逆らってエアー抜きをしなくてはならないので、本格的にエアーが混入すると、相当難儀な作業となります。
まあ車の場合も、マスターシリンダーやら、ABSやら、本格的にエアーが混入したら相当な作業になるんですが、車のブレーキリザーバーは容量が大きいので、まだ上からエアーが本格的に混入した!って状況にはなったことがありません。
また、継ぎ足すフルードの缶を振ったり、落としたり、買った直後で車で揺すられた直後だと、フルードに細かい気泡が多量に混入してしまうため、いくらエアー抜きをやってエアーが抜けなーい。って状況になります。そりゃ継ぎ足すフルードにエアーが混じっちゃってるんだからエアー抜きになるはず無いです。
エアー抜きをやる時には、継ぎ足すフルードを、静かに 1時間程度寝かせてから始めましょう、フルードを無駄にするだけです。
これがピストン抜けたところです。
もう辺り一面フルードまみれ・・・
黄色く見えるのは、ピストンブーツ裏に塗ってあったグリスなんですが、工場出荷時の状況は、抜けたピストンがグリスでグチョグチョな程、グリスが塗り込まれていました。
ピストン抜けたら、さっさとピストンシール交換します。
固いゴムではないので簡単に取り外しできます。
新品取り付ける時には、フルードを塗っておけ。と整備要領書には書かれています。まあ、フルード塗っておかないとスルッと入らないんですけどね。
ピストン外れていると、フルードがリザーバーとの位置関係からか、したたり落ちてきますから、長引きそうだったらフルードの継ぎ足し忘れずに。
しかし、ピストンって何百度にもなるパッドへじかに接していて、このピストンシールも相当の熱にさらされているはずなのに、こんなフニョフニョのゴムで良く大丈夫だよなぁ?と凄い疑問に感じました。
取り外したピストンは、赤矢印部分にピストンブーツに付いていたグリスが付いていて汚れていますから、綺麗にしておきます。
私は、台所用のペーパータオルを使用しました。
後、キャリパー側も、ピストンブーツ付いていた部分はグニョグニョのグリスが残っていますから綺麗にしておきます。
で、綺麗にしたらピストンを入れます。
ブリーダー(エア抜きするボルト)を緩めておくと楽に入ります。
後、ピストン側面にもフルード塗っておくと滑りよくなるみたいでした。
ピストン入ったら、グリス塗ったピストンブーツを取り付け、ピストンブーツに傷が付かないようブーツリング取り付けます。
ブーツリングは柔いので、指で縮めれば楽に入りました。
ピストンブーツ裏のグリスは・・・・
最初の取り外した状況は、上の写真からも分かる通りグリスでベッチョリだった訳ですが、今回のオーバーホールではピストンブーツ裏に厚めに塗る程度。にしておきました。
しかし、ピストン側面全域、ピストンシールへ達するほどグッチョリ塗った方が良かったのか・・・・??
上下のピストン終わったら次はロックピンです。
赤矢印の部分が、この写真だと向こう側に抜けます。
ロックピンブーツがロックピンにくっついていますから、引き剥がしながらロックピンを引っ張ると抜けます。
ロックピンブーツも、キャリパーボディーに刺さっているだけですから引っ張れば取り外せます。
ロックピンはこんなもんです。
ロックピンの先端部、赤矢印の所にガイドピンブーツの付いているのと付いていないのがあります。
ロックピンブーツ内部、ロックピンに付属の赤いグリス塗りたくって取り付けます。
一通り組み上がったらエアー抜きです。
私はいつも一人でやっています。
写真のように、ビニールチューブをスプリングの辺りで引っかけて、空の瓶に排出するようにします。
この様に、上に引っかけておかないとエアーの逆流を起こします。
用意できたら、ブリーダーを 1/4回転ぐらい緩め、フルードリザーバーの残り容量に気を付けながら、ブレーキをガシガシ踏みます。
だいたい 20回ぐらい踏むとフルードがリザーバーから無くなってしまうので、10回ぐらい踏んだらフルード継ぎ足して。とやった方が良いです。
ビニールチューブに流れてくるフルードを見ながら、気泡が無くなったかな?と言うぐらいでブリーダー締めます。
ブリーダーのネジ山部分から、ブレーキ緩めたときにエアーが逆流してしまうので、私はネジ山部分へフルード垂らしています。
トキコからは、このブリーダーのネジ山に塗る、エアー逆流防止用の溶剤が売られています。日産の部品商から購入できるそうです。
ちなみに、キャリパー内に多量にエアーが混入してしまうため、1回ではエアー抜き完全には出来ませんでした。
少し走って振動与えてキャリパー内のエアーをブリーダーがある上部に集めてから再度エアー抜き。と2回行ってエアー抜き完了しました。
エアー抜き作業を二人でする場合、
2~3回ブレーキ踏んだ後、力強くブレーキ踏みっぱなし。
ブリーダーを緩めて勢い良く排出されているところでブリーダー締める。
最初に戻る。
を繰り返すことにより、確実なエアー抜きを行うことが出来ます。
ブレーキ踏みっぱなしでブリーダー緩めることにより、圧力かけて混入したエアーを押し縮めて小さくしておき、勢い良く排出することで、エアーの抜けが良いそうです。
特に、ダラダラ抜くと流れが弱くてエアーが押し流されないような部分、マスターシリンダー上部や、ピストン側面は、踏みっぱなしで勢い良く排出しないとダメだそうです。
ちなみに、私はフロント両輪のブレーキオーバーホールするのに 750ccのフルードが必要でした。
後、パッドやローターにフルードかかるんですが、そのままだとブレーキの効きが悪化するようなので、フルードかかったら水洗いしておいた方が良いみたいです。
私は、パッドもローターも取り外して、中性洗剤でゴシゴシ洗いました。
と言うか、パッドもローターも、フルードがかからないよう外してやった方が良いようです。
あと、ブレーキフルードは塗装も痛めるし、プラスチック製品に対しても攻撃性があります。フルードで濡れた手で、車体あちこち触るのは極力避けましょう。
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