出来ればスプリングとのセット商品が良いが、ダンパーだけでも良い。
と、上記のような、オイオイ変える必要無いんじゃ??って条件で探したところ、以下の組み合わせと相成りました。
ダンパーは阿部商会のビルシュタイン
型番 AR30-5028R (右前用)
AR30-5028L (左前用)
AR30-5035R (右後ろ用)
AR30-5035L (左後ろ用)
倒立式
固さは普通より少し固めな程度(の筈)
ダンパー調整機能無し
車高調整機能無し。
これで 4本の値段が 96000円でした。
箱を開けて中から取り出したら、ビルシュタインカラーが目に飛び込んできました
タイヤハウスの隙間から、もしかしたら見えてしまうのでしょうか。ハッキリ言って派手です。
ダンパー一番下の部分には、何か意味ありげな調整用のナットがありました。
付属の説明書等は一切付いていなかったので、何のナットなのかは不明です。
(大きい段ボール箱だったのですが、中にはダンパー本体しか入っていませんでした。)
多分、エンドユーザーが回してはいけないナットなんでしょう。
(その後聞いた情報だと、このナットを緩めると、ダンパー内部の窒素ガスが抜けてしまうそうです)
更にその後得た情報によると、倒立ダンパーの下側はガスでなくオイルで満たされているはずだから、
まず抜けるのはオイルだろう。とのこと。間違えでした。
この出っ張っているボルトは、下のリンク先の図で言うところのピストンロッド
ナットは、ピストンロッドを固定しているナット
と言うことのようです。
ビルシュタインの倒立ダンパーの説明図
このボルトナットを緩めて、何かを補充する、もしくはドレンボルトになっているので何かが抜ける。
と言ったたぐいの物ではないようです。
青いカバーをめくると倒立ダンパーの特徴、太いシャフトが見えます。
この太い分、剛性感が増すんだと思います。
箱の一つに出荷表が付いていたのですが、出荷がエナペタル。届け先が阿部商会となっていました。
ビルシュタインってドイツのメーカーなんですが、日本の代理店?って阿部商会かと思ったら、総元締めはエナペタルだったようです。
スプリングは純正品を選びました。
車高が下がるのはやだ。固くなるのもやだ。
阿部商会へ聞いたら、ダンパーは純正スプリング利用を前提にチューニングしています。
との回答をもらい、何のためらいもなく純正にしました。
オイオイ、STiバージョンとか RAのスプリングにしないの?。って感じですが、いいんです WRX用で。不満が無いんですから。
ちなみに、スプリングレートはフロントが 2.8Kg/mm。リアが 2.5Kg/mmです。
非常に柔らかいスプリングで、社外品で 2キロ台なんて見たことありません(^^;;
フロント用のアッパーブラケットです。
だたのゴムかと思ったら、フロント用はボールベアリングが入っているのですね。
ちなみに、これも WRX純正品を買いました。
STiからは、ゴム強化品が売られています。
リア用は、ただのゴムと金属を組み合わせた物でした。
大きさも、フロント用より一回り小さいです。
その他の小物です。
スプリングの上下に入れるゴムラバー(ガタガタ言わないようにするための物)
セルフロックナット等
上記純正品4点で、税込み 49236円でした。(標準価格の1割引)
部品も一通り揃ったので交換です。
フロントの部品一式です。
スプリングは、透き間のあいている方が下。
下側にあるパーツは、取り付ける順番に置いてあります。
フロントサスペションには、下側にスプリングゴムラバーがありません。
バンプラバーは、倒立式なビルシュタインにはダンパー内にバンプラバーがあるから、取り付ける必要無いそうです。
まずは、スプリングを縮めなければならないので、スプリングコンプレッサーです。
オートテックで、5000円強の値段にて購入しました。
ネジ部分とこすれるワッシャー部分、白い矢印の部分にグリスを塗ります。
グリスを塗れば、軽い力で回るようになります。スプリングコンプレッサーも長持ちするんだと思います。
スプリングコンプレッサーは、スプリングの2巻き目ぐらいからかけましょう。
1巻き目にかけてしまうと、ダンパーへ取り付けたとき取れなくなります。
又、それぞれをスプリングの対角線にかけるようにして、均等に締めていきます。
フロントの場合には、純正スプリングが直巻き?で締め込むの簡単だったのですが、リアスプリングは不等ピッチ?だったため、締め込んでいくと滑ってしまい、締めるの大変でした。
ダンパーのシャフトがこのぐらい出るまでスプリングコンプレッサーで縮めます。
純正スプリングはスプリングレートが小さいので、普通のサイズのラチェットにて楽に締め込むこと出来ました。
ここから先は、スペシャルツールが必要でした。
整備要領書には、専用工具を使えと書かれていたのですが、自作しました。
専用工具と言っても、棒をつっこんで回せるようにソケットレンチに穴あけただけなんですけどね。
ちなみに、チタンコーティングと書かれたドリルの歯を使用したら簡単にあきました。
ホームセンターへ行くと、とび職の人が足場を組むのに使っている、両側穴あき貫通ラチェット。
も、ここのナットを締めるのには使える。と言うのを聞いた事があります。
必要なサイズは 19mmです。
ちなみに、肉厚のツールでは穴に入りません。(3個下の写真を参照)
この程度の直径(25mm)ならば、アッパーブラケットの穴に入りました。
フタが開いて確認できますから、あらかじめどのぐらいのサイズなのか?を確認しておくと良いでしょう。
どこにそんなツールを使用するか?と言うと、この場所です。
ダンパーの一番上部にあるナットを締め込むときに必要なのです。
このナットを締め込むには、シャフトへ六角レンチを入れて固定しながらナットを締めていかないとならないのです。
六角レンチで押さえずに回そうとすると、ダンパーのシャフトがクルクル回ってしまい締められませんでした。
ナットはセルフロックナットな為、最初から最後まで、シャフトを押さえながらナットを回さなければ締まっていきません。
さっき作成した穴あきソケットレンチと六角レンチ2本を使用して、こんな風にして締め込んでいきます。
ナットはセルフロックナットですから、気合い入れて締めなければダメです。
ネジ山が約 5〜10mm出てくるぐらいになると、ナットが固くなりアッパーブラケットがグラグラしなくなりますから、そこまで締め込んだら規定トルクの 5Kgf-mで締めます。と言っても、こんな状況ではトルクレンチ使用出来ないので、だいたいの感覚で締めました。
ダンパーのシャフトを押さえながらとか、ある程度締まればいいだろうと言うことは無いみたいで、アッパーブラケットが固定される位置まできちんと締めましょう。
車両に取り付けると車体の重量で押さえ付ける側に押されっぱなしとなりますから、その状態で最後にもう一度増し締めするとなお良いです。
私も、きちんと締めたつもりが緩んでいて、ガタガタ凄い音が出ました。
(緩んでいたのは 1/10回転程度でした)
さて、すぐにでも取り付けられる状態まで出来上がりました。
ただ注意点なんですが、ダンパー側のスプリングを押さえる皿が、ダンパーの中心点を基準とすると偏芯して片寄っているのです。
アッパー側の皿も、ダンパー側に合わせた位置に偏芯させなければなりません。
特殊工具を使用して締め込んだ後、スプリングコンプレッサーを取り外した後ではスプリングシート回りませんから、特殊工具で固定する前、スプリングコンプレッサーを取り外す前に、偏芯状態が上下で同じか?を確認しておきましょう。
この偏芯状態が上下で異なっていると、スプリングが斜めに取り付いてしまい、車へ取り付けようとしても取り付きません。
ちなみに、この車へ取り付けられる状態にまで持ってくるのに、4本(+偏芯状態狂っていたので再度1本作業の計5本)を組み上げるだけで、3時間もかかりました。
やっと車側での作業です。
まずは、車をジャッキで上げた後にウマかませます。
タイヤ1本ずつジャッキで上げてタイヤ外してとやると、スタビライザーで押されてしまって取り外しが難しくなるでしょうから、やるんだったら前2本とも持ち上げて、前2本、後ろ2本ずつ作業するのが良いと思います。
まずは、ダンパー下部にブレーキホースが固定されているのですが、そのクリップ?を取り外します。
矢印の部分から押すとスポッと抜けると思います。
但し、錆やゴミで固着しているかもしれません(私のはそうだった)ので、相当ガッチリくっついていて、押したぐらいで全く動かなかったら、マイナスドライバー等を当ててハンマー等で叩くと抜けます。
どこかにツメか何かが引っかかっていて動かないのでは?と思うぐらい、ガッチリ固着していることもありますが、ツメ等でロックかかってはいませんので、固かったら構わずぶったたきましょう。
クリップを取り外した後は、サス交換の中で一番疲れる作業です。
ブレーキホースをダンパーから取り外すため、ブレーキホースが通っている金具を切断します。
場所的に狭い場所なので、ジグソー等の電動工具は使用出来ません。
良く雑誌には、エアーソーを使用すると楽だ。と書かれていますが、そんな工具持っていないので、金鋸にて切断します。
ブレーキホースを傷付けないよう、気を付けて切断しましょう。
1カ所切って、曲げるだけでホース抜けます。
ちなみに、この金具を切断するのは邪道で、ブレーキホースをキャリパーの所で取り外し、ホースをダンパーの金具から抜くのが本来のやり方だそうです。
取り付ける側も切断しなければブレーキホース入りませんから、取り付ける前に切断して曲げておきましょう。
次は、ダンパーを固定している2本のボルトナットを取り外します。
2本の内、上のボルトは偏芯ボルトになっていてキャンバー角の調整に使用しますから、以前アライメントを取って調整されている可能性がある。と言う人は、どの位置になっているかボルト側に印を付けておきましょう。
新車の時から何もしてない。と言う人は、ボルトの調整位置は真ん中ですから、別に印し付ける必要ありません。取り付ける時にも、真ん中の位置にして締めればいいだけです。
上側のボルトは偏芯ボルトですから、ボルトを回すのではなくナットを回しましょう。
下側のボルトは普通のボルトですから、ボルト、ナットのどちらを回しても良いです。
ちなみに、ボルトナットとも 19mmの大きさなのですが、死ぬほど固く締まっていますから、ホイルのナットを取り外すこの写真のようなスピンナハンドルを普通に力かけただけではびくりとも動きませんでした。
ちなみに、このボルトの規定トルクは
フロント 15.5±2.0Kgf-m
リア 20.0+4.0
-1.0Kgf-m
のトルクで締めろと書かれています。
写真ではガレージジャッキも写っていますが、ウマかませてあるけどガレージジャッキもかませたままにしているだけです。
決してガレージジャッキだけで持ち上げている訳ではありませんので念のため。力かける作業なので、ガレージジャッキだけではチト不安です。
こういう風にしたら簡単に緩みました。
せっかく体重 50Kg以上あるのですから利用しない手はありません。
後、ホームセンターで売っているステンレス鉄パイプを買って、継ぎ手して長くすれば簡単に緩みます。ステンレス鉄パイプ、1mぐらいの長さで 1000円もしません。
で、下の2本が緩んだ所で外さずに、アッパーマウントのナット3つを取り外します。
このアッパー側を先に外してしまうと、下の強力に締まっている2本のボルトナットを緩めるときにガタガタしてしまいダメです。
かといって、下の2本を外してしまうと、アッパーの3本を外したときにガタンと落ちてしまうので、下のボルトを緩めたところで、アッパー側の3本を取り外すのが良いみたいです。
このアッパーマウントの3本のナットの規定トルクは
2.0±0.6Kgf-m
です。
取り外したときと逆の方法で組み上げていけば出来上がりです。
サスアッシーを取り付ける時、上の3本のボルトをアッパーマウントの穴に入れたら、下側の太いボルトを入れるのは大変なので、ドライバー等を仮に入れて落ちないようにしておいて、アッパーマウント側のナットを借り止めしましょう。
特に、リアの場合には一番上に付いているストラットマウントが、フロントのようにベアリング入って無くて自由に回りませんから、せっかく入ったのに下のボルトを止めようとしている内に抜けてしまったらがっかりします(^^;
リアのジャッキアップポイントはデフケースです。
フロントのジャッキアップポイントはここです。
リアサスのアッパーマウントを外すには、リアシートを外す必要があります。
まずはお尻側を外すため、このボルトを外します。左右に2本あります。
2本ボルトを外したら、中央部の後側がフックで引っかかっていますから、向こうへ押しながら下に押すとフックが外れ尻側のシートが外れます。分かりずらかったら、シートの隙間から手を入れると構造分かると思います。
尻シートを外すと、背もたれの止めボルトが背もたれの下側に3本見えるようになりますから外します。
左右と中央にボルトがあります。
ボルトを3本外したら、上側に3カ所引っかかっているところがありますから、背もたれのシートを上に持ち上げるようにすると背もたれシートも外れます。
シートを取り外すと、リアのアッパーマウントのボルトが見えるようになります。
左右どちらにも、シートベルトの巻き取り機構がありじゃまです。この写真は右シート用なんですが、こちらはまだ良い方です。左リアシート用の巻き取り機構はモロ邪魔な位置にあるので取り外す必要があります。
シートベルトの巻き取り機構、ボルト1本で止まっているだけなので、左リアの作業をするときには取り外した方が良いと思います。但しボルト1本と言っても、巻き取り機構からアームが出ていてそれがフレームの穴に入るような構造になっていて、そのアームを入れるのに苦労するので、取り外さなくて良い右リアは、取り外さないで作業した方が良いです。
ちなみに、写真のような普通のラチェットだけでは取り外せないので、メガネラチェットも必要です。(サイズは 12mm)
リアも、アッパーマウントのボルトはフロントと同じく
2.0±0.6Kgf-m
のトルクで締めます。
しかし時間かかってしまいました。
最初から最後まで全て一人で作業し、11時から作業始めて、終わったのは 18時半でした。
今までの人生の中で、これほどラチェットを回したことはないぞ!と思うぐらいラチェットを利用しました。
この、ノーマルスプリングに阿部商会ビルシュタインの組み合わせですが、Niftyへの書き込み&メールの返事を組み合わせてインプレッション書いてみます。
まず交換してすぐに感じたこと、それは『こう言うのをビル足って言うの?』でした。
路面の情報を全て拾ってしまい、そりゃもう凄い状態です。とても、しなやかな足。とはほど遠い出来具合でした。
特に、ダンパーの動きは少ないけど車体の移動量は大きいような路面のうねりのような物がダイレクトに感じられてしまいます。
今までの純正サスがダンパー抜けきっていて、新車の状態はこのぐらいだったのかも?って程度なのかもしれませんが、しなやかなビル足を予想していた私はちょっと困惑しています。
まあ、『全日本ラリーにも出られます』のダンパー付けていたアルトワークスよりは全然良いんですが・・・
ただ、コーナーリング性能は思いっきり上がりました。
通勤途中にコーナーがあるんですが、今までは 60Km/hぐらいだとオットットとタイヤがダダダと跳ねるような感じだったのが、同じ速度ではロールもせずガーっと曲がっていきます。
こういう限界が上がるサスを望んでいたのでは無いのだが・・・(^^;
と言うことで、ビルシュタインは、ダンパー固すぎだと思います。
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の様な発言をしたところ、Niftyでは
固いダンパーには固いサスペションの組み合わせの方が、乗り心地が良くなる。
やはり、固すぎてしまったときに逃げられるよう、ダンパーの調整機能が付いているのを買うべきだ。
やはり、後5万円高くてもオーリンズにするべきだったか?
いやいや、失敗しても悔いの残らないカヤバ製にすれば良かったか?(値段が半値以下)
等のやりとりがありました。
と言うことで、ビルシュタインが固いぶん、日本で売られているブリジストンの RE711や YOKOHAMA NEOVAなど、メーカー最高峰でグリップも良いけどショルダーも固くて乗り心地が悪いタイヤは履けなくなってしまいました。(乗り心地悪いの気にしなければ、この手のタイヤ履いても大丈夫だけど)
と言うことで、次買うときにはオーリンズの 20段調整式ダンパーにしようと思っています。
質問が来たので、少し書き足してみます。
Q:交換後、車高の変化はどうだったのでしょうか?
A:こんな具合でした。
真横から撮影し、タイヤと地面の接地面が水平となるよう写真を加工してあります。
新品ノーマルスプリング+阿部商会ビルシュタインに交換してから、丸4年、60000km走行後。
空気圧は標準の圧力、タイヤは純正サイズ(205/50-16)の写真です。
タイヤハウス部分の隙間を見ると、明らかに前上がり。
サイドスカートとボディの繋ぎ目(白黒の分かれ目のライン)は、わずかに前上がり。
しかし、前後バンパー取り付け部分のライン、ドアの所の前後に伸びているラインは、共にわずかに前下がり。
パッと見た目はわずかに前上がり。但し、気にしなければ気にならない。
フロントタイヤのホイルハウスの隙間が気になる人は許せない車高の上がり方なんだと思います。
と言うのが現在の感想です。
以下は、随分前に niftyのフォーラムへ私が書き込んだ書き込みの一部です。
---------------------------------------ここから
ちなみに、整備解説書によると標準車高は以下のようになっています。
1G状態で、ホイルアーチ(タイヤハウスの一番高い所)とホイルセンター間の距離
FRONT -- 371mm
REAR -- 363mm
左右のズレの許容値は、+12mmの -24mm
前後のズレの許容値は書いてませんでしたが、前が +に、後ろが -にずれたら、35mmぐらいの差があっても良いことに・・・
で、交換前、交換後に、この整備解説書の通りに車高を測定した結果は・・・
測定場所は、ホイルアーチ最上部からホイルセンターまでの距離。
標準値 交換前 交換後(1) 交換後(2)
左 右 左 右 左 右
FRONT -- 371 371 366 376 366 376 372
REAR -- 363 352 345 347 351 347 346
交換前 -- 厚木のホームセンタードイトの駐車場にて測定
交換後(1) -- 近くの本屋さん駐車場で測定
(アスファルトだが少しデコボコ有り)
交換後(2) -- 近くのスーパー屋上駐車場
(コンクリートで真っ平ら)
交換後(2)が信頼できそうです。
---------------------------------------ここまで
交換直後の感想も書かれていたのですが、
ヘッドライトの光軸からすると、交換前と交換後で前後の車高の関係は殆ど変化無いのは感じていました。
ちなみに、見た目はリア下がりと言うことはなく、車体水平です。
と書かれています。
交換した直後は、前後の車高の関係は変化無し。実際に測定しても測定誤差範囲内。と感じていたようです。